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2025.01.14

  • 海外留学

留学ロールモデルインタビュー vol.1   自分らしさを探して、カナダで得た自由と学び

  • IB留学センターからも多くの生徒を送り出しているカナダのデルタ学区の高校に、1年間の留学をされた堀江恵理さんにお話を伺いました。
  • 高校時代のカナダ留学、日本の大学への進学を経て、現在は再びカナダに戻りコーヒー業界に身を置いて挑戦を続ける堀江さんは、「型にはまることなく、その時その時にやりたいと思ったことを探求する」大切さを教えてくれました。

 

|留学中は辛くて、早く日本に帰りたかった

 

  1. Q. 現在の職業や活動内容を教えてください。
  2. コーヒーショップで働きながら、個人的に月に一度くらいの頻度でコーヒーに関するポップアップイベントを開催しています。

 

  1. Q. 高校1年生で海外留学をしたきっかけを教えてください。
  2. 両親がもともと海外旅行が好きで、父は月の半分を海外出張で過ごしていました。家で流れている映画は洋画が多く、その影響もあって、中学生くらいの頃から英語はしっかりとやりなさい、とその言葉を一番身に染みて感じている父によく言われていました。
  3. 中学生から自分自身でもハイスクール・ミュージカルにハマり、そこから洋楽を聴くようになったほか、一番の大きなきっかけは兄が夏休みの間などにカナダに短期留学している様子を見て、自分も実際に行ってみたいなという気持ちが芽生えました。

 

  1. Q. 留学準備はどのようにしましたか?
  2. カナダ大使館が主催する留学フェアに参加して情報収集をし、兄が留学する際にお世話になったエージェントを通じて手続きを進めました。
  3. 英語の準備としては、英検や英会話の練習はせず、洋楽を聞く程度でした。

 

  1. Q. 留学中の経験はどのようなものでしたか?
  2. 中高一貫校に通っていたので、日本の高校には籍を残しつつ、高校1年生の9月から高校2年生の6月までの10カ月間、カナダの公立高校に留学しました。留学中はただずっと辛い、早く帰りたいと思っていました。。。

 

  1. Q. 留学中は具体的に何が大変でしたか?
  2. まだ親元を離れて暮らしたこともないのに、いきなり一人で海外へ飛び、知り合いも誰もいない場所に放り込まれるのはとてもきつかったです。ホームシックを最初の数カ月で乗り越えた後も、ハイスクール・ミュージカルのような高校生活をイメージしていたところとのギャップに苦しんだり(笑)、週5日毎日時間割が違う日本の学校とは異なり、前期後期それぞれでたった2つの時間割(14教科)を交互にやっていく授業の取り方が退屈に感じました。
  3. 最初のころは授業の内容も分からず、現地での学校生活に「慣れた」という感覚は留学後もありませんでした。日本の高校に復学するために成績・単位を取ることに必死で、留学生活はあっという間でした。私の通った学校は英語環境や治安がとても良く、現在も同じカナダに戻っていることを考えると、結果的に留学先としてはとても良い選択をしたと思います。

 

  1. Q. そんな辛い留学生活を乗り越えた原動力は何ですか?
  2. プライドです笑。自分で留学に行くと言った以上、やり切るしかなかったです。家族と電話したのも留学中 1度か 2度程度しかなく、メッセージもごく稀にする程度でした。

 

Q. 留学を通じて得たものは何ですか?

  1. 視野が広がったなと確実に思います。退屈と感じていた授業の中にも結構選択肢があって、日本にいたら5教科全部確実に受けなきゃいけないところを、高校生の時点から数学、サイエンス(科学、物理、生物)は取らない、ということができる環境に驚きました。仕組みの中で自分を当てはめていくのではなく、自分のやりたいこと、自分に必要なことを考えて、それが実際にできてしまうというのは視野の広がりに繋がったと思います。

 

  1. Q. 日本の高校に復学した後はどうでしたか?
  2. 帰国後は同級生と同じ学年に復学しました。直後の夏休みの間は、ほぼ毎日部活動に励みつつ、部活の後は毎日高校の先生とマンツーマンで1 年分の物理・数学を勉強し、カナダにいる間の遅れを取り戻しました。留学後の学校の英語において、英文法は覚えることが多かったですが、一度覚えてしまえば点数は取れたので、総じて易しく感じました。

 

  1. Q. 留学をしたことで、周りとの違いに苦しむことはありましたか?
  2. あります。日本の学校に復学した時点で同級生たちは既に受験勉強を本格的に始めていて、その状況に少し焦りつつも、進学校の大学受験への雰囲気づくりに一種の違和感を抱くようになりました。言葉を選ばずに言うと、決められた檻の中で同じ方向を見ているような様子が怖くて、進学校にいるから有名大学合格を目指しましょう、というような考え方ではなく、これをしたいからこの大学に行く、といった決め方もできるんじゃないのかなと考え始めました。ただ、この考え方は留学を経験してから形成されたものであり、自分の思いを伝えることができる人がいない状況に苦しんだのを覚えています。

 

  1. Q. 日本での大学進学について教えてください。
  2. 上述の違和感があったため、本当に自分が学びたいと思うプログラムがある2校のみ受験し、無事に第一志望の慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)に合格しました。高校の勉強は土台しかやっていないなかで、受験のタイミングで自分が勉強する専門を決めることができなかったのに加えて、好きなことと得意なことはまた違うと思うので、まずできるだけ片っ端からいろんなものをやりたいと思っていました。SFCは必修が1科目しかなく、それ以外は自由に授業を取り単位を認められるので、自由裁量のカリキュラムに魅力を感じました。

  

  1. Q. どのようなきっかけでカナダに再度行くことを決めましたか?
  2. 元々旅行でもなんでもカナダに戻りたいと考えていました。そんな中で、大学二年生の冬に新型コロナウイルスの流行により授業が全面オンラインへ移行し、毎日家にいてもつまらなかったのに加えて、授業がオンラインであればカナダからでも受講できるということで、カナダにワーキングホリデービザを利用して渡航しました。結局大学卒業まで、昼間はカフェで働き、夜は大学の講義を受ける生活を続けました。

 

|自分のやりたいこと、自分に必要なことを考えて実践する

 

  1. Q. 日本の大学に通いながら、カナダで仕事する生活を続けて、何か感じたことはありますか?
  2. 私の通っていた大学では、かなり早くから就職活動を始める学生が多く、自分も同じようにしなければならないという皆が口に出すわけではないけど、それでもかなりプレッシャーを感じていました。私はそれが息苦しいと感じていたところ、まさに高校の時に抱いた「仕組みの中で自分を当てはめていくのではなく、自分のやりたいこと、自分に必要なことを考え、それを実践する」ことを学んだカナダに行こうと思いました。日本の高校生だと毎日の授業や部活、塾などに追われ続けて、その外に目を向ける時間も体力もないと思います。

 

  1. Q. カナダでバリスタとして活動する中で、やりがいはありますか?
  2. ポップアップイベントを企画するようになって、よりやりがいを感じるようになりました。結局のところ、カフェで働く雇われのバリスタはその人にどんな知識があってもお店のレシピに沿ってドリンクを提供する必要があります。お店のレシピも一種の「型」であって、それにはまらず、その時々でやりたいことを実践することができているときが楽しいし、高校・大学と同じようなことをしていることを踏まえると、自分はそういう人間なんだと思います。

 

  1. Q. 今の活動の延長線上で、どのような展望がありますか?
  2. 当面は自分のカフェをオープンすることが目標です。自分のカフェやポップアップイベントなどを通じて、「一杯 20ドル」のコーヒーの価値を理解してくれる人を増やしたいです。その目標に向けて、休みの日もコーヒーの産地から焙煎方法や抽出方法などについて勉強・研究しています。

 

Q. 最後に、留学を考えている方へのアドバイスをお願いします。

海外が好きか、合うかというのは別として、自分の今いるところ以外の世界を見る機会として、どんな状況においても、行くチャンスがあるのであれば留学は行った方がいいと思います。私のように将来ワーキングホリデーやその他方法で海外に来ている人にとっては、特に高校生のうちに行くことがとても重要だと思います。というのも、海外でウエイターの仕事ひとつを探すにも英語のベースがないと雇ってくれるところが本当に少ないからです。また、これから先は自分が海外に行かなくても、今以上に国際化が進み、外国人が日本に入ってくることになると思います。その世界では、最低でも英語を話せないと生きていけない時代になっていきますし、「英語はしっかりとやりなさい」と言われ続けた私も、自分自身も海外生活の中でそれを強く感じました。